みなとまちの豪商、小澤家
日本海を行く北前船などの回船や川船が集まってくる、みなとまち新潟。
数々の商家が盛衰を繰り返したこの町で、小澤家は、米を扱い回船を運航し、みなとに関わる会社を興して経営を拡大してきました。
小澤家の商いの舞台であったこの屋敷からは、みなとまち新潟の町屋の特徴と、明治時代以降に成長した商家の歴史を伺うことができます。
旧小澤家の住宅です。入り口は、新潟市の上大川前通りに面しています。現在、新潟市の文化財に指定されています。
現在、情報案内所になっている正面を過ぎると、通り土間となっています。町屋の典型的なつくりです。
手前から奥へと、格の高い部屋(仏間など)、茶の間、台所と家族の生活空間へと続いていきます。
明治末期に新設れたという接客用の座敷、「藤の間」。床柱は、秋田杉の四方柾(しほうまさ)。床脇には円弧型の地袋があり、滝和亭(1830~1901)の落款がある絵が描かれています。
「藤の間」のとなりの「百合の間」庭が一望できます。
ここは、台所・食堂です。右側に階段が見えます。上は「厨子(つし)2階」と呼ばれ、使用人部屋や物置となっていました。
小澤家の家系図です。初代七三郎(1843~1907)は、回船業を営み近代小澤家の基礎をつくり、2代目七三郎が新潟の三代財閥の一つ斉藤家の娘・タケと結婚し、小澤家の商いをさらに繁栄させていきました。
賓客をもてなす社交空間としての要素が強い庭園。手前の左側に見えるのは、佐渡から取り寄せたという「赤玉石」です。
これが赤玉石(左)。木石(珪化木・けいかもく)樹木の化石(右)
新潟市文化財旧小澤家住宅
〒951‐8068
新潟市中央区上大川前通12番町2733番地
TEL 025‐222‐0300