自分のルーツを知りたい。
ひいおじいさんは何という名前だったんだろう?
おばあさんは何という苗字だろう?子供のとき何処に住んでいたんだろう?
このようなことを誰でもふと思うことはあるのではないでしょうか。
わたしたちは、日記や写真を見て自分の過去を振り返ることが出来ますが、
遠いご先祖のことをを振り返って見ることは中々出来ません。
家系図は、ご先祖がいつ生れ、いつ亡くなったのか、
出生率の低い昔は、生れて間もなくして亡くなった子もいます。
お母さんはその子の想いを次に生まれてくる子に託し、同じ名前をを付ける。
このようなことが見て取れます。
家系図をつくると、ひとことでは語れない様々な回想にふけることができます。
なぜ、今家系図なのか?
ここで家系図をつくる意義や目的について紹介します。
1.自分のルーツを知りたい。
自分のルーツを知りたい。これは人間の本能的なものがあるのではないでしょうか。
家系図に興味がない人でも、自分のルーツ、すなわち自分は誰なのか?
ふと思うこともあるはずです。
「ルーツ」という言葉を辞書で引くと、物事の起源・根源・大本・祖先などと表されます。
まさに過去を振り返ることのできる、人間という生き物しかできない感性です。
現在は、少子化や核家族化の増加などで、家族や親戚の触れ合いも気薄になってきたのかもしれません。そんな環境の中で、自分というものの起源、根源を 知りたいという気持ちが逆に強くなってきているのかもしれません。
家系図は、こんな時代だからこそ求められているのかもしれません。
2.子孫に残したい。
いま、誰でも確実にご先祖を知る手掛りとなるのは、戸籍です。
戸籍を入手して調べれば、およそ150年前くらいの江戸時代末期のご先祖さまの名前を知ることができます。私たち世代から5~7代前の方たちです。
この戸籍で判明したわずか150年前程度のご先祖さまでも、今後私たちの100年後の子孫には、250年前のご先祖さまとなります。200年後の子孫には、350年前の ご先祖さまとなるわけです。
いま、家系図をつくるということは、こんな壮大な計画となる素晴らしいものなのです。
3.先祖供養のため。
先祖の供養のために家系図をつくられるという方も結構多いようです。
お墓を作るときにあわせて家系図をつくりたいという方もいるようです。
そもそも先祖供養とはどのようなものなのでしょうか?
先祖供養とは、父母、祖父、祖母、そしてその上の見たこともないご先祖さまに、今の自分がこの世でいきていることを感謝することではないかと思います。
しかし、名前も顔も知らないご先祖さまに心を込めて感謝しようと思っても、いまひとつピンと来ないものです。
もし家系図があり、そこにご先祖さまの名前や写真が載っていたらどうでしょう。
すごく親近感が湧くはずです。ご先祖さまに感謝の想いを伝えるために
家系図を作成する。
きっとご先祖さまも喜ばれると思います。
4.贈り物としての家系図。
ご家族の結婚式や出産祝いなど、家族のイベントの贈り物として家系図を贈る。
結婚して家を離れても家族の絆は永遠です。
新郎と新婦が両家の家系図を交換しても良いかも知れません。
子供が生まれたら、子供の名前を家系図に追加していく。
家系図は、家族や親戚の絆を深めるための必需品になると思います。
5.親戚とのコミュニケーションに。
法事に出たときに、親戚の顔と名前が一致しなくて困った経験はありませんか?
また、親戚と自分の関係が分かる家系図があれば便利だと思いませんか?
親戚が集まった席で家系図を披露すると大盛況だった。
今まで疎遠だった親戚同士に会話が生まれたりする。
また、家系図に書かれていなかった親族の情報をみんなが教えてくれたなど、
家系図が親戚の絆を深めてくれる役目をしてくれたら良いですね。
6.遺産相続で戸惑わないために
遺産相続のために家系図をつくるという用途は以前からありました。
近年、遺産相続のトラブルが増えており、その傾向は高まりつつあります。
高齢化社会の日本では、金融資産の60%、有価証券の70%が60歳以上の
高齢者が保有しているということです。
今後、遺産相続の取り分をめぐる家族間のトラブルは増加していくと思われます。
その背景には次のものがあるようです。
①以前は長男が相続主だったのが、今は平等な相続が原則となり兄弟間のトラブルが増加。
②核家族化や少子化により、個人の権利意識が強くなった。
③離婚が増え、前妻との子供の相続など複雑化してきた。
④家族関係が複雑化したことで面識がない親族に相続させることになり、寄り合う困難さ。
⑤高速道路などで地価が上昇し、それまで興味を示さなかった兄弟が相続権利を主張し始めた。
このような遺産相続の問題に対して、日頃から家族関係をきちんと把握しておくことが
トラブルを防ぐことに大切になってきます。
家族が集まった時に微調整や見直しを行い、実態に即した相続、
すなわち争いのない家族みんなが納得した相続の実現に向けて、
遺言の作成、家系図の作成など、重要性が増してきます。
遺産相続のために家系図を作成するという行為は、あまり楽しいことではありませんが、
家族や親族が楽しく付き合っていくためには、必要なことかもしれません。