1、肌裏、中裏打ち
肌裏打ち紙には薄美濃和紙(うすみのわし)、中裏打ちには美須和紙(みすわし)を用いて裏打ちをしていきます
2、付廻し(つけまわし)
仮張りにてよく乾燥させた後、各部に切り継いでいきます。保護の観点から玉池(家系図の天地の裂地)を設け、耳は折らずに※覆輪(ふくりん)を巻きます。
※覆輪(ふくりん)とは、縁取りのことです。
3、総裏打ち
総裏打ちには一般の方でも扱い易い様、柔らかく、仕上がりに巻癖の出にくい宇陀和紙(うだわし)を用いて裏打ちしていきます。
4、表紙裏の砂子振り
正絹製金襴の裏に雁皮紙を使い、※ドーサ引きした上から純金砂子(すなご)を蒔いていきます。
※ドーサ引きとは、ドーサ=膠(にかわ)を引く=塗ることです。
膠は主に動物の皮や骨などに含まれるコラーゲンを加工して作られる、もっとも長い歴史を持つ接着剤。
5、軸・表紙の取付
軸・※八双・表紙を取り付けた後、紐を取り付けます。紐の先には扱いの容易な※角製コハゼを取り付けてあります。
※八双(はっそう)とは、巻物の右端に付ける断面が半円形の棒状の木です。
※こはぜとは、留め具のこと。牛角を使っています。
6.家系譜和綴じ本製作
正絹製緞子を使用し、角裂を当て、家系譜を袋綴じします。麻紐は調和のとれた色に染め綴じていきます。
7.完成
点検後、黄色の綿布にくるみ、専用桐箱に入れて完成です。